4輪の難しいところ
【駆動輪の構造】
DCモータのピニオンに、前後の駆動輪のスパーギアが
勘合するようにできているんだけど。
この所為で、駆動が掛かったときに、前後輪で逆方向に
軸をねじる(傾ける)力がかかる。
タイヤの接地中心、スパーギアの位置、軸受けの
3点が一直線上にレイアウトできないので、
駆動が掛かれば、どうしても、モーメントが発生する。
実車なんかは、ハブベアリングと、ホイール、
ジョイントのスプラインがなるべく同一面上に
なるようにしてあって、影響が出にくいように
なっている。
そもそも、普通の車では、駆動軸に対して
前後輪、なんてものは無いんだけど。
【ベアリングの構造とか】
で、ベアリングは、レースの溝にボールが嵌って
回転するのだけど。
当然、ボールに対して溝の方が広くできている。
(そうでないと回らない)
そのせいでベアリングは、ラジアル方向の力は受けられても
モーメントが発生すると、容易にねじれてしまう。
なので、2つのベアリングを使って軸を受けるんだけど、
やっぱり、モーメントが発生するようだと、
軸が落ち着かない。
これはこういうものなので、仕方なし。
【その結果】
モーターからの駆動がかかることにより、
ベアリングのねじれ方向のガタが、
駆動輪の位置のずれになる。
ベアリング同士の距離が近いのもあって、
ハブ/ホイールの実際の回転軸がブレてしまう。
結果、4輪が均等に接地できず、不安定になり
信地旋回がままならない、ってことになる。
駆動輪の傾きでのずれ自体は接地面でも、
0.1mmくらいのもんだろうけど、
それだけずれれば、殆ど荷重は抜けてしまう。
【ではどうするか】
構造上、モーメントが発生するのは避けられないので、
ベアリングのガタをぎりぎりまで詰めて、
モーメントが発生しても、ホイールが暴れないように
規制してしまうことで、安定した接地を実現する。
【手法】
通常は2つのベアリングのインナーレースの間などに
ディスタンスカラーをいれて固定するんだけど、
それをやめ、軸をネジなどで構成して、
あえて、インナーレースを締め付け、
2つのベアリングのボールを内側に
押し付ける。
当然、しっかり締め付けてしまうと回らないので、
軽く回りつつ、ガタもない程度の
微妙な調整をする必要がある。
この時の調整の感覚は、M3ネジ(0.5mmピッチ)
をシャフトにすると、角度で2~3度(1/100回転)
程度のイメージ。
距離としては10ミクロン以下での調整になるので、
ディスタンスカラーの調整でなんとかするのは
ちょっと無理な雰囲気か。
で、4輪ともこの調整をやって、
ベアリング由来のガタをなくしてやると
信地旋回が安定して動作するようになる。
逆に信地旋回が怪しくなったときは、
ここの調整が狂っている、と判断しで
調整作業をやるようにしている。
【まとめ】
ネジを軸にする、ってのは一般的には
あまりいい設計ではないのだけれど。
こと4輪に関しては、このベアリングへの
与圧?のために必要な構造かと思う。
2輪マウスでは、ここがルーズでも
影響は4輪ほどではないようだ。
4輪という構造が(2輪と違って)何を
要求するのか、って考えれば
ヒントは出てくると思うのだが
2輪4輪の対比で考えてしまうと
4輪の不明な挙動に見えるだろうなあ、
と思ったりもする。
【徒然】
メカやってる人は、こういったベアリングの特性を
把握しているので、この構造に限らず、
対策をしていると思う。
実車もそうだけど、見た目からでは
どこがポイントなのか分からず。
形状だけまねているんだけど、
どうにも同じにならない...なんてこと、
よくあるな話な気がする。
これって、すでにうまく動くものが
存在していて、その模倣から
追従しようとすると、ハマりがちなことな気もする。
うかつに手本があるがゆえに、
本質に気づきにくい、って構造だ。

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